子供の教育方針について考えてみた
受験勉強とは、子供を公立中学よりもいい環境で教育が受けられるようにすることです。
子供の教育環境にプラスになるからこそ、私立中学校に行くのであり、プラスにならないのであれば、中学受験は意味のないものになってしまいます。
進学塾や家庭教師をつけて勉強環境を作る受験勉強の準備段階から、教育方針にそったものでないといけないのです。
どういうことかというと、偏差値やテストなどの結果を求めるあまり、子供に精神的・肉体的な無理が掛かると良い影響はありません。
これを防ぐためには、子供の教育方針や理念を親がきちんと持たないといけないのです。
ここで気を付けないといけないのは、親の教育方針と子供の思うところが違うと、子供のモチベーションは落ち、勉強が身に入らず、記憶力が低下し、成績が下がっていくことにつながります。
子供に対して、思いやりのある子になってほしい、明るく友達の多い子になってほしい、何にでもチャレンジする子になってほしいなどと思っていると思います。
この理想の子供の育て方を望みながら、受験を子供に無理強いしていることが多くあります。
子供はスポーツが好きでテニスをしている、野球をしている、サッカーをしている、水泳を習っているのに、中学受験に合格するためにすべてをやめてしまうことが本当に必要なのか考えた方がいいと思います。
私の上の子が、それで失敗しました。
小学5年生の年末までは、そろばん教室に通い、英会話教育に通い、進学塾に通っていました。
この頃は、偏差値もよく第一希望の私立中学校の合格率も高く、本腰を入れたら入れるのでは無いかと思っていました。
そこで、年を越して、進学塾の学習内容が変わる2月に合わせて、そろばん教室と英会話教室をやめ、進学塾一本にしました。
この時、子供とも話して子供が行きたい私立中学校に行きたいなら、この1年は受験勉強に力を入れて勉強しよう。
あともう少しで合格圏内になるからという思いで。でも、これが大きな間違いだったことに気付くのに半年位掛かりました。
小学6年生になってからすぐに偏差値が20も落ちました。そこからは、親も子供も大変でした。
それまでは、明るくはっきりと物事をいう子供でしたが、親からも塾からもガミガミ言われて、集中力が続かず、記憶力が低下し、全くと言っていいほど身に入らないのです。
半年位経った小学6年生の10月です。
親として、これ以上何もできないという状況になってしまい、塾にも通いながら、家庭教師をお願いすることにしました。
いろんな家庭教師がありますが、いくつもの家庭教師の人たちと話をして、うちは「名門会」にしました。
ここで、習い事を辞めたことが子供のバランスを崩した原因では無いかと知ることになります。
子供にとって、自信のある、自慢のできる、もっとも得意なことを親が良かれと思い取り除いてしまったのです。
受験勉強の息抜きにもなっていたようですし、友達の遊び場にもなっていてストレスの発散にもなっていたのです。
親の期待を感じていた子供は、そこが言えずに親の言うとおりにやめてしまいました。これは第三者である家庭教師の先生との話の中で、子供が言ったのです。
親としては、そのまま明るくハッキリと物事をいう子供でいながら、受験勉強一本に絞ることで成績が上がると思い込んでいました。
しかし、これは違っていたのです。だって、親が思っている教育方針や子供がこうなって欲しいと思っている育成とは違うことを子供に押し付けていたからです。
子供の自信も維持しながら、人としての器も大きく、友達との遊びも必要なのです。
中学受験をする親としては、子供に受験に失敗しないで希望の私立中学校に入って欲しいと思うあまり、気持ちが先行してしまうことがありますが、教育方針や育成について今一度立ち戻り考えることが必要です。
その上で、子どもと一緒にどうするかを話し合い、決めていく必要があります。
この教育方針を変えてまで、何かをしようとすると、本来得る機会があったことを得られないまたは失うことになるということを親は気付いていないといけません。
とある学校の募集要項にこのようなことが書かれていました。
「うちの子供をとらないような学校であれば、大した学校ではないと、どうして考えられないのでしょうか・・・」と。
これをみて怒る人もいたようですが、この考え方って非常に大切だと思いませんか。