小学生が覚える百人一首の4つの方法と6~8番の歌の意味
小学4年の娘が、百人一首に興味を持ち、「百人一首」の本を借りてきました。
良い機会なので、娘とすこしづつ歌の解釈を勉強していくことにしました。
百人一首を覚える方法
百人一首の覚え方は、いくつかありますので、覚えやすい方法を試してみるといいと思います。1.最初の1文字が決まり字の歌を覚えてしまう。
最初の1文字が決まり字になっているのは7つです。
- さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこもおなじ 秋の夕暮れ
- 住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむ
- 瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとど思ふ
- 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ
- ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる
- 村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮れ
- めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな
2.有名な歌で覚えやすいものを覚える。
有名な歌や知っている歌をまずは、覚えていくことで興味を持ちます。興味を持った歌というのは覚えるのが早いですし、忘れることもありません。
出だしても、何か分かる語句でもいいので、その歌を知るきっかけを見つけて覚える方法です。
3.同じような言葉を集めて、楽しく覚える。
例えば、
- 地名が使われている歌はどれだけあるのだろう
- どんな地名が使われているんだろう
- 人が含まれている歌は、どれだけあるんだろう
- 同じ言葉で始まる上の句や下の句はどれだけあるんだろう
- あいうえお順に並べて覚えてみたらどうだろう
4.上の句と下の句の語呂合わせで覚える
語呂合わせで覚えることで、上の句と下の句の出だしだけは覚えることができます。
百人一首の競技かるたなどや上の句と下の句を結びつけるような問題(テスト)なら、この語呂合わせはとても有効です。ここから、1つ1つの歌の意味などを知っていくとより深く百人一首を理解することができます。
小学生の子供でも分かる百人一首の意味(6~8番)
6.かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにけるこの歌を詠んだ中納言家持は「万葉集」の編者のひとりといわれている大伴家持です。もともと武人として朝廷に仕える高い家柄で、家持も中納言にまでなりましたが、晩年は不遇でした。
冬の夜空をみていると、七夕の夜のかささぎが天の川にかけ渡す橋を思いおこさせるほど、幻想的な夜空だと思い、そういえば宮中の階段に似ているなあと思い、詠んだ歌です。
七夕の夜、天の川にかささぎがかけ渡すという天上の橋。その橋のように見える宮中の階段に、霜が真っ白におりているのをみると、夜はしんしんと更けていっていくんだなあという歌。
7.天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも
この歌を詠んだ安倍仲麿は、16歳のとき留学生として唐に渡り、政治や法律のことを学び、玄宗皇帝に仕えました。漢詩を作るのが上手で、唐の詩人の李白や王維たちとも友だちでした。
留学生として中国に渡っていた仲麿は、51歳になったとき、玄宗皇帝に帰国を願い出ました。皇帝から帰国を許され、仲麿のために開かれた別れの宴で、なつかしいふるさとを思う気持ちが歌となって、思わず口をついてでた歌です。
大空をふりあおぎ、はるか遠くをながめると、東の空に美しい月がのぼってくる。あの月はきっと、私が少年のころに見た、ふるさとの奈良の三笠山に出ていた月とおなじ月だろう。ああ早く日本へ帰って、奈良の春日にある三笠山にのぼる月を眺めたいものだという歌。
8.わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり
この歌を詠んだ喜撰法師は、平安時代のはじめの頃の人と伝えられていますが、詳しいことはわかりません。出家して京都の宇治あたりに住んでいたといわれ、六歌仙のひとりに挙げられています。
田舎でひっそり暮らしている喜撰法師のことを、都のひとたちは「失恋なされてこんな所にかくれて住んでいる」と噂しているという。そこで喜撰法師が詠んだ歌です。
わたしの草庵は、都の東南にあり、わたしはそこで、心静かに暮らしているのに、世間の人たちは、わたしが住みづらい世の中からかくれて、この宇治の山に住んでいるとうわさしているそうだという歌。
面白かったです